Last updated on 18 May 2022
肝炎とは
肝炎は、肝臓が炎症を起こす疾患で、主な要因はウィルス感染ですが、他にもアルコール、薬物、医薬品などの有害性を帯びた物質の摂取や自己免疫疾患などによって引き起こされる場合もあります。
自己免疫性肝炎（AIH）は、遺伝性、非感染性、慢性炎症性の自己免疫疾患で、免疫系が過剰に働き、健康で正常に機能している肝細胞を攻撃します。肝炎は、肝硬変、肝不全、あるいは癌などの合併症を引き起こす場合があると言われています。
ウィルス性肝炎は、主に感染者の排泄物が混入した水や食べ物を摂取することで感染します。また、感染者の血液や精液、その他の体液に接触・摂取する事でも感染します。この感染症は、5つのタイプに分かれ、それぞれのタイプに独自の特徴があります。例えば、D型肝炎は、B型肝炎に罹患している場合にのみ発症します。
なぜCBDは肝炎治療に役立つ？
カンナビジオール（CBD）は、ここ数年で行われた研究や臨床試験において、さまざまな病気の治療に役立つことが証明されています。サウスカロライナ大学の研究者が行った研究では、CBDの肝炎治療薬としての有用性が示唆されました。CBDには、体内のエンドカンナビノイド受容体と相互作用する働きがあります。自己免疫性肝炎やウイルス性肝炎の肝炎症状の軽減にCBDが有効であると言われる理由は、このためです。研究を行った結果、これらの受容体がCBDによって活性化される事で肝臓の炎症が緩和し、肝臓の繊維化が止まるという事が明らかになりました。例えば、カンナビノイドがCB2受容体にアンタゴニストとして結合すると、脂肪肝の炎症が抑えられて再生が促進されます。CBDには他にも、肝臓疾患による痛みや、治療による副作用を和らげる効果があります。
肝炎の症状改善にCBDを使用するメリット
肝炎治療としてCBDを使用する場合、最もメリットが多い製品タイプはCBDオイルだと言われています。CBDには急性傷害から肝臓を保護する働きがあり、この治療効果はマウスを使って行われた実験で明らかになりました。1 この実験では、肝炎のマウスにCBDを投与したところ、肝臓の損傷が減少したという結果が報告されました。
同じ方法を用いた別の研究では、CBDが炎症性サイトカインに直接働きかけ、2 これにより、肝臓組織の耐久性が高まり、血中の老廃物や毒素をろ過する機能が保たれるのです。また、
また、CBDは優れた抗酸化物質でもあります。 Cannabidiol and (-) 9-tetrahydrocannabinol are neuroprotective antioxidants. Proceedings of the National Academy of Sciences, 95(14), pp.8268-8273.)). 酸化は、肝臓の酵素が血中に漂う不要な物質を分解する過程で発生する有害なプロセスですが、CBDのような抗酸化物質を体内に取り込む事で、この酸化プロセスを抑制する事ができます。肝臓が行っている分解プロセスは、血液中に含まれる分子を消化することから始まり、尿を排出することで終了します。このプロセスの中で、フリーラジカルと呼ばれる酸化物質が生成されます。このフリーラジカルは、炎症を悪化させて人間の細胞にダメージを与える性質を持っており、そのままにしておくと様々な健康上の問題を引き起こします。
CBDが体内に取り込まれると、分子やDNA鎖に反応するこれらの危険な化合物を分解します。リーラジカルは重要な細胞構造と結合することで体にダメージを与えますが、CBDがフリーラジカルと結合することによって、この損傷を防ぐことができるのです。フリーラジカルは主に肝臓の周りに蓄積されるため、肝細胞は最もフリーラジカルの影響を受ける箇所ですが、カンナビノイドはこのフリーラジカルによる損傷リスクにさらされている肝臓を守る、ガードマンとしての役割を果たすのです。
CBDを肝炎治療に使用した場合の副作用
CBDは一般的には極めて安全な成分だとされていますが、 3. まれに軽度の副作用が起こる事があります。まれに軽度の副作用が起こる事があります。現在報告されているものでは、吐き気、下痢、眠気、食欲の変化、ドライマウスなどがあります。こうした副作用はまれですが、予備知識として知っておく事で、万が一副作用に見舞われた場合にも適切な対処ができるでしょう。より詳しい情報は、CBDの副作用の記事をご覧ください。
肝炎のための最適なCBDの摂取量
人には個別の性質や健康状態の違いがあるため、そうした違いに合わせた用量を知る事が大切です。あなたの体質や健康状態を熟知しているかかりつけ医がいる場合は、適切なCBDの摂取量をアドバイスしてくれるでしょう。また、実際にCBD摂取を試してみることで適切量を探る事もできます。ただしその場合は、極少量から始める様にしてください。
当サイトでは、自分にあった適切な摂取量を知る方法として、「CBD:A patient’s guide to Medical Cannabis」（Leinow & Birnbaum著）に記載されているステップアップ方式を推奨しています。4
CBDの摂取量については、当サイトのCBD摂取量ガイドをご覧ください。https://hemppedia.org/ja/cbd-no-toyo-ryo/
肝炎の症状改善のためにCBDを使用する方法
CBDオイルは通常、舌の裏に数滴垂らして吸収されるのを待つ舌下摂取という方法で使用されます。垂らした後、すぐに飲み込まずに1分ほど含み続ける事で、体内へCBDの成分が吸収されていきます。また、CBDをVAPEなどの電子タバコを用いて吸引摂取するという選択肢もあリます。この方法は、経口摂取と比べて即効性がありますが、喘息などの肺の病気をお持ちの方やCBDを摂取した事がない方は、その即効性ゆえに身体に負担がかかる可能性がありますので、別の方法による摂取をおすすめします。
参考文献
- Wang, Y., Mukhopadhyay, P., Cao, Z., Wang, H., Feng, D., Haskó, G., Mechoulam, R., Gao, B. and Pacher, P. (2017). Cannabidiol attenuates alcohol-induced liver steatosis, metabolic dysregulation, inflammation and neutrophil-mediated injury. Scientific Reports, 7(1). [↩]
- Hammell, D., Zhang, L., Ma, F., Abshire, S., McIlwrath, S., Stinchcomb, A. and Westlund, K. (2015). Transdermal cannabidiol reduces inflammation and pain-related behaviours in a rat model of arthritis. European Journal of Pain, 20(6), pp.936-948. [↩]
- Expert Committee on Drug Dependence (2018). CANNABIDIOL (CBD). [online] World Health Organization [↩]
- Leinow,, L. and Birnbaum, J. (2017). CBD: A Patient’s Guide to Medicinal Cannabis. North Atlantic Books. [↩]
Author
With close to two decades of successful stint in the Media industry, I felt I was surely missing a piece in my life puzzle. I took a break and set out to seek the purpose of my life. I travelled, lived out of a suitcase, let things flow into life without resisting, and after five challenging years, I found my rhythm. I love to write about Cannabis and Health and try my best to simplify esoteric concepts into simple ideas for life.
