Last updated on 14 October 2021
カンナビスの治療効果に関する研究は、過去何十年にもわたって行われてきました。その甲斐あって、現在、CBDの薬効を証明するデータは十分に揃っています。1 獣医師の間で猫や犬にCBDオイルを使用する事への注目が高まっているのはこのためです。犬や猫にも、人と同様にCBDが作用するためのエンドカンナビノイドシステムと呼ばれる機構が備わっているのです。
ペットへのCBD使用は現在、ほとんどの国と米国のほとんどの州で広く合法化されており、入手する事も可能です。アメリカにお住まいの方には、州ごとの詳細なCBDと法律に関するガイドをご用意していますのでご一読ください。
人向けの製品と同様に、ペット用のCBDオイルにも様々タイプがあり、使用する事で様々な病気の治療効果が期待できます。特に、てんかんや関節炎など、犬や猫でもよくみられる疾患を治療するにはより自然で理想的な方法だといえるでしょう。CBDを使用することで得られるメリットとリスクを天秤にかけても、やはり副作用の少ないCBDは安全で効果的な解決方法であることがわかります。
それでは、次の章ではCBDオイルがあなたのペットにどのような効果をもたらしてくれるのかを見てみましょう。
CBDとは?
CBDはカンナビジオールの略称で、アサ草から取れる天然の抽出成分です。カンナビノイドが濃縮されており、いわゆる「ハイ」な気分にさせる陶酔作用を持つTHCが除去されているのが特徴です。これらのオイルは、成熟したアサ草をブタン、オリーブオイル、アルコール、CO2、氷水などの溶媒に漬け込んだり通過させる事で抽出されます。
溶媒が茎や葉の上を通過すると、カンナビノイド、トリコーム、テルペンなどの有効成分が溶解し、これらの成分が溶液中に溶け込みます。こうして出来た溶液を蒸発させることで、CBDオイルと呼ばれるオイル状の濃縮液が残ります。
CBD製品は犬にとって安全?
犬向けにCBDオイルを購入する前に押さえておきたいのは、CBDには向精神作用がないという事です。つまり、CBD製品を摂取してワンちゃんが「ハイ」な状態になる事は医学的に考えて起こり得ません。CBDオイルの最大の特徴は、アサ草に含まれるTHCのような向精神作用を起こす事なく高い治療効果が得られるという事です。
ここまでは、CBDオイルの基礎的な知識に触れてきました。次章からは、CBDがどのようにペットにいい影響を与えるのかをみていきましょう。
どの種類のペットがCBDを使用できる?
一般的に、全ての脊索動物(背骨を持つ動物)に分類される動物の体には、人と同じようにエンドカンナビノイドシステムが備わっています。このエンドカンナビノイドシステムは、CBDオイルに含まれるCBD成分の処理をするので、この機構が備わっている猫、犬、馬など、ほぼすべてのペットにCBDを使用することができます。
魚にCBDを使用できる?
興味深いことに、軟体動物、魚類、両生類も同様にエンドカンナビノイドシステムを持っている事が知られています。こうした事を考えると、カンナビスやCBDオイルの動物への使用は、自然治癒の観点から見ても、より積極的に考えていく必要がありそうです。
なぜなら、ペットも私たちと同じように、精神的、身体的にさまざまな病気を患い、苦しむのです。CBDオイルが人の一般的な疾患の緩和や治療に役立つ事は、すでに多くの科学的研究によって明らかになっており、また前述したとおり、犬や猫の体内にもエンドカンナビノイドシステムが備わっているため、CBDがペットの疾患治療に同じような作用をもって貢献してくれる事が期待できます。次の章では、ペットの治療にCBDを使用するメリットついて解説していきたいと思います。
CBDオイルの使用で得られる効能
以下に、多くのペットオーナーがCBDをペットに使用している理由について、最も一般的なメリットを列挙します。
1. 不安を軽減する
うつ病や不安感は、脳内の化学物質が不均衡になる事で起こります。犬は、特にこうしたバランスの乱れの影響を受けやすいと言われています。獣医師や医療専門家の報告によると、CBDオイルの使用によって、こうした化学物質の変動が安定し、精神的な健康が改善されるようです。2
また、CBDは脳内のセロトニンとアデノシンの両方の受容体と相互作用する効果があり、これによってそれらの受容体が正常に働きます。実際の使われ方としては、犬の分離不安の改善、花火や雷雨による不安の解消に役立てられています。
CBDを猫の不安解消に使用する場合は、猫用のCBDオイルについての記事をご覧ください。
2. がん細胞を死滅させる
CBDオイルには、がん細胞の成長や拡大を抑制する力がある事が、研究ですでに明らかになっています。3 これまでの実験ではラットやマウスのみが対象でしたが、多くの医療専門家や医師がこれらの結果を非常に有望なだとして大きな期待をもっています。
3. 発作を止める
発作とは、体内の電気信号が妨げられ、体が激しく揺れる状態を指します。主に脳から発生するといわれ、その治療は非常に困難です。近年では、CBDを使用することで、ほとんどの種類のペットの脳内の電気的な乱れが起こる頻度が減り、また軽度なものに変わっていったという研究結果が報告されています。4
4. 痛みを緩和する
犬や猫の体で起こる腫れや痛みは、脳内のバニロイドと呼ばれる受容体によって制御されています。CBDがこのような神経細胞と結合すると、受容体のスイッチがオンになり、痛みを感じる信号を効果的に防ぎます。これによって、鎮痛作用がもたらされます。5
5. 食欲を刺激する
CBDは、ペットの脳内にある複数の神経細胞と相互作用することで吐き気を抑え、食欲を増進させる事が研究で明らかになっており、これにより、既にけいれんやがんなどの全身性疾患にかかっている犬や猫の食欲が改善されます。6 動物の体は、こうした病気と戦うために常に食べ物から得られる栄養を必要としており、十分な栄養摂取ができないと自然治癒力が減退し、病気に打ち勝つ事がより困難になっていってしまうでしょう。
CBDのペットへの使用方法
CBDをペットに使用するには、経口投与が最も手軽で一般的な方法です。経口投与とは、口から直接摂取する事で、犬や猫の場合はスポイトを口に入れて数滴垂らします。ただ、この方法はしつけが行き届いていないワンちゃんには難しいかもしれません。
こう言った場合には、犬や猫のおやつや食事に垂らす方法がいいかもしれません。食事に垂らした後、オイルが染み込むまで少し時間がかかるので、数分待つようにしましょう。摂取量の目安は、ペットの体重10ポンド(453g)に対してCBD0.5〜5mgです。ただし、CBDは消化器系の脂肪酸バランスを崩してしまうので、鶏肉との組み合わせは控えてください。
投与方法は、プラスチック製のスポイトやシリコン製のペット用シリンジなどを使って、CBDオイルを内側の歯と歯茎の境目、頬の裏側、舌の中央などに直接塗布してください。軽度の傷、発疹、ただれ、急性湿性皮膚炎などには、CBDオイルをチンキや軟膏として塗布する方法が効果的です。
これらの方法を嫌がる場合は、飲み水のボウルに数滴垂らしてみましょう。ただ、この方法では飲む際にオイルが飛び散ってしまうので、あくまでも最終手段とお考えください。
ペット向けのカンナビスオイル – 考えられる副作用
CBDオイル、もしくはカンナビスオイルをペットに使用しても、ほとんどの場合副作用は起こらず、起こったとしても極めて軽度ですが、主な副作用として多くの獣医や医師から報告されているのは、無気力と眠気です。ただ、眠気に限って言えば、介護などで疲労している飼い主が一時的な休息を得るという意味で、メリットだとも言えます。睡眠を長く取る事は、実際犬にとっては自然な事で、犬は平均して1日に約13時間眠る必要があると言われています。一方で、極端な副作用としては嘔吐や痒みなどが考えられますが、これらのケースは極めて稀です。
ペットがCBDを過剰摂取してしまった場合
ペットがCBDを摂取してもほとんど副作用が起こらないと前項で紹介しましたが、過剰摂取(OD)してしまうと、やはり深刻な健康被害を来す可能性があるため、注意が必要です。もし過剰に摂取したCBDオイルがTHCを含んだフルスペクトラムタイプだった場合、陶酔状態に陥る可能性があります(日本ではTHCは違法なため、日本で入手できるCBDオイルからはTHCが完全に除去されており、この症状が起こる心配はありません)。過剰摂取による副作用は、CBDオイルの摂取量にもよりますが、数時間から長い時で数日続く場合があります。こうなった場合、食欲を失ったり、立つなどの簡単な動作ができなくなることも考えられます。
当然ですが、犬や猫は、自分たちが感じている不安の度合いや、どれくらい痛みを感じているのかを飼い主にうまく伝えることができません。そのため、CBDオイルをペットに与えた後は、食欲や元気の度合い、行動などに変化がないかを注意深く観察するようにしてください。
万が一ペットがCBDオイルの過剰摂取をしてしまってこういった症状が現れた場合は、即座に投与を中止し、動物病院に連れていってください。また、このようなアクシデントが再び起こらないよう、より厳しく製品の管理を行ってください。
獣医はCBDを推奨している?
ペット向けCBD製品の購入を考えている場合は、獣医師に相談する事をおすすめします。CBDを活用する動物病院は年々増えてきており、近頃ではペットの治療にカンナビスを使うことを勧められる様にもなりました。しかしながら、多くの科学的研究が有望な結果を示しているとしても、いまだ獣医の間で十分に認知が進んでいない現状もあります。
全ての医師や獣医師が最先端の医学や科学に精通しているわけではありませんので、時にはCBDオイルに否定的なアドバイスを受ける事もあるかと思います。そうした場合には、CBDオイルについての十分な知識と経験を持ち、一定の理解がある心の広い獣医師に出会う事で、CBDのペットへの使用により前向きな意見をもらいましょう。CBDに理解のある獣医師は、動物用CBDに関する総合的な指導をしてくれるので、あなたのペットに最適なCBDオイルを選ぶための正しい指針を示してくれるはずです。
また、自分自身で調べたり、CBDを使用している飼い主さんに相談したりして、役に立つアドバイスをもらうことも肝心です。CBDには副作用がほとんどないため、犬や猫へのCBDオイルの使用は基本的に極めて安全だと言えますが、ペットに悪い影響がでる可能性はゼロではありません。もし前述の様な傾向が見られたら、すぐに使用を中止してください。
また、可能な限りオーガニックのカンナビスから抽出されたCBD製品を選ぶ事をおすすめします。これは、多くのペットにとって致命的なカビや農薬、重金属などが混入している製品を避けるためです。
ペットにCBDを与える際の適切な量は?
前の章で述べた様に、CBDオイルの過剰摂取はペットに何らかの副作用や精神的な悪影響を及ぼす可能性があるため、飼い主が適切な量を把握し、徹底した管理のもと与えることが何より肝心です。残念ながら、CBDオイルをペットに与える際の適切な量を調べる研究や調査が行われてはいるものの、完全なデータが集まるまでにはもう少し時間がかかる様です。
現在、CBDを現場で使用してきた多くの獣医師が推奨している適切な使用量は、ペットの体重10ポンド(約4.5kg)ごとに0.5〜5mgを与えるというものです。そうは言っても、自力で得た知識のみでCBD製品を使うよりも、まずはCBDを熟知している経験豊富な獣医師と話をする事をおおすすめします。もしかかりつけの獣医がCBDオイルを使用したことがなければ、調べてみるよう促したり、CBD関連の記事を紹介したりするといいかもしれません。
獣医師がCBDを推奨していない場合はどうする?
獣医師の同意なしにCBDオイルをペットに与える場合は、こちらのCBDに詳しい獣医師によるガイドラインを参考にしてください。
安全にペットへCBDを与える方法
- まずは1日1回につき一滴のCBDオイルを与える(体重4.5kgごとに0.5〜5mgが適切とされています)
- 同じ量を一週間与え続ける
- 投与量を1日2回に増やす
- 同じ量を一週間与え続ける
- 1日3回に増量して、また一週間同じ量を与える
もちろん、必要に応じて、適切量を超えない範囲で投与料を増やすこともできます。注目すべきは、一回あたりの投与量は毎回変わっていない事です。変わっているのは回数ですので、これによりペットに負担がかからずに投与する事ができます。この様な方法でペットの反応をつぶさに観察しながら、副作用なく期待通りの健康効果が得られる適切な投与量を見つけましょう。
ペット用CBD – カスタマーレビュー
Paradise of Dogs – The dog shelter which made CBD Oil a “must have” for their dogs
The following case comes from a Hungarian dog shelter called “Paradise of Dogs”. The dogs of the shelter regularly get treated with products donated by a CBD company.
These photos were taken by the owner of the Hungarian animal shelter “Paradise of Dogs”. In the pictures you can see a before/after comparison of a dog with a skin disease called demodicosis. The photos were taken one month apart. The dog was regularly treated with CBD oil.
Everything is great
“Everything’s great! Both the advice and the shipping! The most important thing: my dog is well!”
Trustpilot review by M. Dovermann
The CBD oil is super for dogs
Our dog gets the CBD oil twice a day two drops under the food
It’s been around for half a year now.
Even our veterinarian recommended it…helps with chronic pain anxiety and much more…I can only recommend it
概要
何十年にもわたる研究の結果、医療用大麻、より具体的にはCBDオイルが動物にとって数え切れないほどの健康上の利点があることが証明されています。ペットの健康を維持し、不安や痛み、がんや発作を和らげるために、これらの製品を日常的に使用することができます。
CBDオイルは他の医薬品に比べてペットへの毒性は低いですが、過剰摂取すると犬や猫に何らかの副作用が出る可能性があります。CBDオイルを適切に使用すれば、幸せな毛むくじゃらの友人を何年もそばに置くことができるでしょう。
参考文献
- Hill, K., Palastro, M., Johnson, B. and Ditre, J. (2017). Cannabis and Pain: A Clinical Review. Cannabis and Cannabinoid Research, 2(1), pp.96-104. [↩]
- Crippa, J., Derenusson, G., Ferrari, T., Wichert-Ana, L., Duran, F., Martin-Santos, R., Simões, M., Bhattacharyya, S., Fusar-Poli, P., Atakan, Z., Filho, A., Freitas-Ferrari, M., McGuire, P., Zuardi, A., Busatto, G. and Hallak, J. (2010). Neural basis of anxiolytic effects of cannabidiol (CBD) in generalized social anxiety disorder: a preliminary report. Journal of Psychopharmacology, 25(1), pp.121-130. [↩]
- Lukhele, S. and Motadi, L. (2016). Cannabidiol rather than Cannabis sativa extracts inhibit cell growth and induce apoptosis in cervical cancer cells. BMC Complementary and Alternative Medicine, 16(1). [↩]
- CARLINI, E. and CUNHA, J. (1981). Hypnotic and Antiepileptic Effects of Cannabidiol. The Journal of Clinical Pharmacology, 21(S1), pp.417S-427S. [↩]
- Xiong, W., Cui, T., Cheng, K., Yang, F., Chen, S., Willenbring, D., Guan, Y., Pan, H., Ren, K., Xu, Y. and Zhang, L. (2012). Cannabinoids suppress inflammatory and neuropathic pain by targeting α3 glycine receptors. The Journal of Experimental Medicine, 209(6), pp.1121-1134. [↩]
- National Cancer Institute. (2019). Cannabis and Cannabinoids (PDQ®)–Health Professional Version. [online] Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/cam/hp/cannabis-pdq#section/all [↩]
Author
With close to two decades of successful stint in the Media industry, I felt I was surely missing a piece in my life puzzle. I took a break and set out to seek the purpose of my life. I travelled, lived out of a suitcase, let things flow into life without resisting, and after five challenging years, I found my rhythm. I love to write about Cannabis and Health and try my best to simplify esoteric concepts into simple ideas for life.